2008年12月23日火曜日

王国の漆黒

春の暖かさよりは冬の霜が近い空の下で、私は生まれた。
アルバンエイレルの日の出前、
ワタシという、アバターがエリンに降り立った。

剣を一つしか持てなかった私は、
村の農場にいるオオカミにギタギタにされた。

痛かった。
ひどく痛かった。
とても痛かった。
死ぬように痛かった。
死んだあとも痛かった。

名前の下のピンクのバーが真っ黒になって、
どうしようもなくなるのが怖かった。

痛いのをふせぐには、どうしたらいいだろう。

小手?
足りない。
靴?
足りない。
盾?
手は武器を持つ者だ。

鎧がほしい。
この黒いローブの下に着る、強力な鎧。
ワタシの恐怖をそのまま絶壁にしたような、そんな鎧。


そんなとき。
かきーんって甲高い音がした。

しらないヤツがオオカミ斃してた。
プレートメイルだって言ってた。

それから私は街に行った。
プレートアーマーを探した。

売ってた。

50万ゴールド。
高い。

どうしようか考えた。
すぐ隣に、祝福ポーションが売り切れていた。
値段は10個1万ゴールドだった。

祝福ポーションを500個売ればいいんだ。
簡単だ。

私と、わたしと、ワタシと、私と、ワタシが働いた。
ジャガイモと、卵と、リンゴと、羊の毛。

クリステルから祝福を。
ヒルブリンから祝福を。

一週間くらいたった。

けっきょく、私が買った時は65万だった。

鎧は改造できるって聞いた。
だから改造しようと思った。

鎧以外を全部脱いで、ネズミにかじられるといいらしい。
私はラビダンジョンにいった。

鎧が壊れた。
修理に行って、そこで初めて、
この鎧が1Pで1万ゴールドするって知った。

23ポイントの修理で231,288ゴールド。
フレッタを*そうと思った。


改造できた。
防御15の保護が9の210式。
ダイヤウルフの攻撃もへっちゃらになった。

でもオオカミは怖くなくなっても、
クマは怖かった。ゴーレムはもっと怖かった。

装備にはエンチャントがあるって聞いた。
インプが保護と防御が上がっていいって聞いた。
スクロールを探した。なかったから素材を探した20万だった。
安いと思った。

その辺りにいたエンチャント高そうな奴を捕まえて、
焼き抜いてもらうことにした。

成功した。1万ゴールドわたした。

鎧に張るのもおねがいした。
改造の終わった鎧を出したら、変な顔して、
削れるかもって言ってた。
いいからやれって言った。

成功した。1万ゴールドわたした。


それから私は、unchainに入る前も、入った後も、
ずーっとこの鎧だった。

服なんて着たいと思わなかった時期もあったけど、
いまはそれなりに服も集めてる。

でも、鎧は変わってなかった。


今日、それがあたらしくなった。

私の薄汚れた黒塊の中に一つだけ、
しなやかな漆黒が加わった。

2008年12月18日木曜日

-あまりに閑だと、なんでも試してみたくなるわね-

まったくもって、アルケミマスタリの修練が面倒!!
なにこれ!?
マナとスタミナが上がるって聞いたから試してみたけど……
使いもしない結晶、何個作ればいいの……?
やってられないわ!

……まぁ、それはともかく。



そろそろ日記でも更新しようとして、
なに書いたらいいか、考えていたのだけど、
そういえば有江が100の質問とやらに答えていたのを
思い出したわ。

これ、初めて出たの、2005年なのね。
全然知らなかったわ。

久遠も答えてるみたいだし、私もついでにやってみるわ。


1 HNを教えて下さい。

 オンドゥラスがどうかしたの?

2 その由来を教えて下さい。

 …………?
 たしか、スペイン語で深みとか深さとかって意味?
 よく知らないけど。

3 性別、誕生日、血液型を教えて下さい

 性別? ……見てわからない?
 誕生日は月の日。
 血液の型は、赤の液体型かしら?

4 メインキャラの名前と性別を教えて下さい。

 私は、影闇。
 あと、同じ質問を二度しないで。
 
5 その由来を教えて下さい。

 闇に霞む影って意味らしいわ。
 うす暗い、端役のような私にはぴったりでしょう。

6 サーバーは何処ですか?

 女神と同じ名前のところ。

7 主な活動チャンネルは?

 いちばんした。

8 サブ・倉庫キャラの名前と性別を教えて下さい。

 お断りよ。
 十何人もつらつらとあげろって言うの?

9 その由来を教えて下さい。

 てきとう。

10 インターネットを初めてどのくらいですか?

 さぁ……けっこうたつのかしら……
 覚えてないわ。

11 マビノギを始めてどのくらいですか?

 ……ええと……たしか2006年……?
 かれこれ2年くらいにはなるのかしら。

12 マビノギ以外にオンラインゲームをしていますか?

 ……東方緋想天。
 MHPもオンライン化しないかしら……
 フロンティアがあるから無理ね。

13 マビノギはどうやって知りましたか?

 人間たちが、やってるって立ち聞いて。
 ……当時は、パソコンが古くて、
 エリンにはいったら、まっ白くなったりでそれは大変だったわ。

14 ギルドに入っていますか?

 ええ。

15 なんというギルドですか?

 unchain。

16 俺も入れてください。

 イヤ。

17 接続時間帯は何時頃ですか?

 ヒマで、気がむいたら。

18 ・・・ニート?

 ……はぁ?

19 ここで自キャラのSSをはってください。



20 これはまた・・・なんともいいがたい・・・。

 おおきなお世話よ。

21 頭につけているのはなんという装備ですか?

 こ、これは、マナとか、スタミナとかあげるために、
 ウィスプとか赤クマとかつけてるだけで、
 しかたなくつけてるだけ!
 ……ほんとに!

22 その武器かっこいいですねー。

 ……ただの黑剣。
 使い捨ての剣よ。

23 ちょっとお借りしてもいいですか?

 ダメ。

24 ここでログアウトですよ。

 ごきげんよう。

25 冗談です冗談です。うはっはっはははは。

 …………

26 ぐへ、ぐへへへへへ。

 ……………………

27 うひょひょぐべべあばばばば。

 ………………………………(シネバイイノニ)

28 戦闘系スキルで力を入れているスキルとランクを教えて下さい。

 いまは近接が全部2。

29 魔法系スキルで力を入れているスキルとランクを教えて下さい。

 電撃が2。
 火矢は練習中。

30 生産系スキルで力を入れているスキルとランクを教えて下さい。

 とくには。
 ……でもメイキングマスタリは4……。

31 やりますね。

 ふふん。

32 転生は何度目ですか?

 ……7?

33 性別って変えます?

 さぁ……気がむいたら。

34 俺は変えませんよ。

 あ、そう。

35 一番好きなBOSSは誰ですか?

 …………ひみつ。

36 その理由は?

 ……やさしくてかっこいいから……
 な、なに言わすのよ!

37 一番好きな敵は誰ですか?

 ……敵?
 いるわけないわ。

38 その理由は?

 始末する相手を、好きなわけないでしょう。

39 接続中は主に何をしていますか?

 *したり、*されたり。

40 ショートカットキーの設定を教えて下さい。

 …………めんどう。

41 インベントリの色等の環境設定は変えていますか?

 ……黒。

42 バックミュージックではどれが好きですか?

 ……サウンドホライズンのmoira。

43 好きなダンジョンは?

 ラビ。

44 理由を教えて下さい。

 ……さぁ?
 ギルドストーンが近いから。

45

 ……

46

 …………

47

 ………………(zzz)

48 インベントリの色等の環境設定は変えていますか?

 なんでもう一回きくの。

49 すみません、ラグった上に巻き戻りました。

 ふぅん……ほんとうに?

50 メンテ後、ラグがひどくなってません?

 そうかしら……まぁ、そういうこともあるかもしれないわね。

51 「緊急メンテを行います。キャラデータ保護の為早めにログアウトして下さい。」

 気がむいたら。

52 噂をすればネクソンマジックきましたね。

 かわいそうね。

53 今日は何時間引き伸ばしなんでしょうかね。

 イライラするわ。

54 普段はメンテ中何をしていますか?

 ……のんびり。

55 暇潰しできる事があれば教えて下さいよう。

 空の雲でも、かぞえてたら?
 たいてい、そのうち眠くなって寝てしまえるから。

56 今の目標は何ですか?

 ……身長を、もうすこし…………
 あんまりちいさくても、つかれやすいし……

57 ああ、えーと。リアルの話ではなくエリンの世界での話しなんですが・・・。

 ……う、うるさいわね、わかってるわよ!

58 まあ、ぶっちゃけエリンの世界が現実なんですけどね。

 ……影世界からエリンに戻るときの、「現実へ戻りますか?」ってタブ。
 最初に見たとき、失笑してしまったわ。

59 惑わされるな!

 ……うるさい。

60 好きなNPCを教えて下さい。

 ヘンなネコ。

61 理由があれば是非。

 ……あそこ、静かだから。

62 俺はダンバートンの衣料品店にいるシモンが好きです。

 ……もの好きね。

63 あと自分が大好きです。

 ……おめでとう、おバカさんで。

64 キリンさんのほうがもーっと好きです。

 キリンは嫌い。

65 でもやっぱりママが好き。

 …………ん……
 ……このマザコン。

66 ツール等は使っていますか?

 その質問に正直にこたえる奴がいたら、バカか運営の身内ね。

67 よく行くファンサイトはありますか?

 

68 ナオのプレゼントで何が一番嬉しいですか?

 ……蘇生。

69 その理由をお願いします。

 ……よく、うっかり、油断、するから……

70 曜日効果で何が一番嬉しいですか?

 金と土の日。

71 その理由もお願いします。

 ポーションと食べ物の効果が増加するのよ。

72 女神は救出しましたか?

 興味ないわ。

73 いままでのG1の感想をどうぞ。

 エリンを滅ぼしたくなった。

74 ソロ主体ですか? PT主体ですか?

 …………

75 ソロだとG1きついですよねえ。

 ……ぜんぜん……

76 フレンドリストに何人くらい登録されていますか?

 ギルドの連中以外は、ほとんどぜんぶ「いつか殺す(ブラック)」リスト。

77 知り合うきっかけは?

 出会いがしらに斬りつけたり、斬りつけられたり、とか…………
 最近はほとんどないけど…………

78 やらしい人!

 ……それはうちのマスター……

79 手持ちと銀行あわせて何Gお持ちですか?

 ひ、ひみつ!

80 一割ください。

 ばっ……!
 私がほしいくらぃ…………なんでもないわ。
 ……なんでもない!!

81 ご利用は計画的に。

 う、うるさい、ばーか!
 ばーかばーか!!

82 欲しい武器や防具、服を教えて下さい。

 ……保護4のバレンシア鎧かしら……

83 何故欲しいのですか?

 そろそろ、プレートメイルの耐久とか、心配だし……
 ……修理費も、なぜかバレンシアの方が安いのよね。

84 お気に入りの場所を教えて下さい。

 ラビダンジョンの裏……

85 俺はバンホールの酒場の奥が好きです。

 ……お酒は好き。
 ……でも、酒場は嫌い。

86 あと、ダンバートンの聖堂の裏とか景色いいですよ。

 よく行くわ。
 ……別に、意味なんてないけど。

87 空をみれる環境ですか?

 とうぜんよ。
 空が見えないなんて、息がつまるわ。

88 夕日とか少し感動しますよね。

 ……別に。

89 一番お気に入りの座り方は?

 楽に座れれば、なんでもいいわ。

90 お気に入りの場所でお気に入りの座り方をしたSSをどうぞ。

 

91 お気に入りのタイトルを教えて下さい。

 「女神と敵対した」
 「クロウクルアフを葬った」
 「守護者殺し」

92 その理由は?

 ……神とか、守護者とか、嫌いだから。

93 どうしてもとりたいタイトルは何ですか?

 「10歳で人間を捕まえた」……

94 思い出の出来事があれば教えて下さい。

 2007年7月…………

95 辛かった出来事があれば教えて下さい。

 ……言いたくない。

96 どうしても勝てないあの敵に一言どうぞ。

 私は負けてない!!

97 ダンジョンに初めて入ったときどう思いました?

 じめじめしてる…………

98 どうしても勝てなかったあの敵を倒した時の感動を!

 やれやれだわ……

99 マビノギプレイヤーに一言お願いします。

 不幸になれ。

100 お疲れ様でした。

 ごきげんよう。
 二度と会うこともないでしょう。

2008年12月16日火曜日

雪より冷たい霙

──嫌われたから嫌いになって、嫌うから嫌われる──




日本の冬って、かわいてるから、雨とか降りにくいのではないの?
なんだか私の外出する日に限って、雨とか霙な気がするわ。

ごきげんよう。
先週の木曜に大型アップデートがあって、
影世界とか、錬金術とか、メインストリームだとか
いろいろ更新されたようね。

更新される手前数日、エリンが
すばらしく過疎な世界だった気がするけど、

まぁそれはいいわ。

影世界は今までのダンジョンとは違って、
単純に敵を斃せばいいだけの場所ではないようね。

決められた方陣の中で敵を血祭りにあげろだとか、
NPCを*される前に敵を*せとか、
いろいろ制約があるようだわ。めんどうくさい。

ついでにアップデートされた、
クリスマスイベントという名のサンタ服お仕着せイベント。

……これ、なかなかひどいと思わない?
「あら? なんだか変わったNPCがいるけどなにかしら~?」
なんて話しかけたら、問答無用で
変な服着せられて、「脱ぎたかったら言うこと聞きな!」
みたいな雰囲気でクエスト要求してくるのよ?

前からサンタなんてキライだったけど、
ますますキライになったわ。

巷じゃなんだかんだで盛り上がってお祝いしてるけど、
そんなにこの時期はおめでたいの?
神を信じてないような連中が、
神を信じてる連中とつるんで騒いで、うるさいだけだわ。

神もクリスマスも大嫌いよ。


……まぁ、イベントは、やったけど……

だって、靴下とか、クリスマスカードとか、
邪魔だったのだもの……

でも、苦労の割には、まったくもって微妙なアイテムだったわ。

単音しか出ないハンドベルに、
長袖の服を着たら見えなくなるクリスマスベルの腕輪、
おまけに間違ってまとめて焼却しそうなナオ花火10本。

まったくなってないわ。
がっかりよ。


……べ、別に、プレゼントとか、
期待していたわけじゃないんだから。

2008年12月4日木曜日

不安定な天秤・罪科の釣架鐘

-死ンダライイ-

やっと風邪がおさまってきたわ……
まだ、物を飲み込むと
焼けたような感触があってムカムカするけど、
たぶん、大丈夫。


…………昔、さんざん悩んで、いちど決着したと思って、
いま、また最近、けっこう本気でなやむことがあるけど……

私って、何

私って、いったいどういう存在?
なんの意味があって、この世界にいるの?

本気でわからなくなる。

私、前は人間殺しになろうと思ってたの。
これはほんとうに。

ただし、そのへんの巷で踊ってるような、
雑魚の犯罪者のような存在じゃないわ。

世界にいる60億匹の人間を
全員、鏖殺しにしてやりたかったの。

すくなくとも、
この国に住んでる1億2000ちょっとくらいの
人間はみんな死ねばいいと思ってた。

偽善と欺瞞で埋まった、
排泄物の腐敗したような種族に
本気で嫌気がさしていたから。

……でも、けっきょくあきらめた。

そんなやつらを*すのに、
時間なんてかけたくなかったから、
だいたい三日くらいで絶滅させたいと思ったのだけど、
日本人を三日で滅ぼすとして一日4000万人強。
秒にして約500人くらいを一度に葬らなきゃいけないわけでしょう?
しかも不眠不休で、恒常的に。

これはもう、地殻?とかをへし折って、
陸地ごと全部海に沈めた方が早いと思ったのだけど、
そうしたら、他の動物とかも死んじゃうじゃない?
…………ネコとか。


細菌とか微生物とかは大嫌いだから、毒物かなとも思ったけど、
人間だけ器用に*してくれる毒は、
結局見つからなかった。

だから、あきらめたの。


それも過去の話だわ。


いまは、すこしは人間も、生きていていいのではないかと
思えるようになってきた。


ばかとかヘンタイとかだけど、
それでも、いままで見てきた奴より、全然マシなのがいるから。


だから、最近、私は自分で言うのも変だけど、
ずいぶん、…………になったと思う……………………

このmabinogiのunchainに入ってからは特に。

私なんかが役に立てる。
それがうれしい気がする。
普段なら死んだって言わないけど、ずっとそう思ってる。
絶対に────他の人間どもには絶対に思わないのに、
なぜか、ここでだけはそう思う。
なぜかなんてどうでもいい。
それでいいと思ってる。
あの場所のためなら、どんなことでもしようと思う。


……けれど、ときどき、
どうしても我慢できなくなりそうになる。



電車で私の頭にひじを落としてきて、鼻で笑った男。
歩道のはしっこあるいてる私に買い物袋当てて、罵声を飛ばした女。
雨の日に減速もしないで水たまりから私に泥水かけた車。
犬が吠えかかってきて転んだ私を笑って眺めていた老人。
買物の列で一品しか持ってない私の前に入り込んできた奴ら。

……昨日食べた物がなにかも忘れてしまうかもしれない私なのに、
どうしてこいつらだけは忘れないんだろう。


お茶を飲んでる時。
お菓子を食んでる時。

この**どもの顔が、服装が、番号板が浮かび上がる。

なんの前触れもなく。
まるで頭痛みたいに。

エリンにいるときだってそう。
そいつらは、はた目には善良なんだ。

できの悪い児童書のような、わかりやすい“敵”じゃない。
でも、私が*すには、それで十分。

*したい。*べきだ。*シテヤル。
そうやって何かがずっと訴える。

……でも、そうすることは、
この場所を傷つける。
それはいけないことだと教わった。
私もそう思っている。

けれどずぅっとひっかかってる。
腐った臭いが、鼻の奥にずぅっと残ってる……

穢らわしいモノどもと、同じ臭い。

下水の濁った汚物の臭い。


私はどっちなのか、わからなくなる。
私はここにいたい。
でも、なにかが拒否してる。

わからない……

ワカラナイ……?

最初のモノを*ったときから、
割り切ったつもりだったのに…………

……もう、なにを書いてるのかわからなくなってきたわ。

けっきょく、私はなんなの?

時々、どうしても、***いてはいけない気がする。
どんなことをしても、この場所を守リタイナラ────

──誰モ*サナイナラ、
 今度ハ オマエガ、死死ンダライイ──

……また、馬鹿な声が聞こえる気がする……
もう寝る…………

2008年11月20日木曜日

      。

いやな夢をみた。
ほんとうに気持ち悪い夢をみた。

私がみる夢はだいたいニ種類。


ヒトが私を*しているか──、

私がヒトを*しているか……。


夢は夢。
現とは違う。

けど、ホントウに?

ヒトが人の世にコトを起こす。
その時にあるのは?

……意思。
思いがあるから、それが現実になるのではないの?



…………ちがう……?



時折見る、*人の夢。
いままでも、知ってるヤツをなんにんも*した。
それは、ほんとうに憎んでいたから。
大嫌いだったから。
いなくなってほしかった。
消えてほしかった。
*んでほしかった。(*シタカッタ)
*してやりたかった。(*ンダ奴モイルダロウ)
バラバラにして、庭先に放りだしてやりたかった。

まだ私がそいつらに手をくだしてないのは、
天秤が傾かないだけの話だった。


……憎んでいるから。
……恨んでいるから。

…………だから、当然だと思ってた。

むしろ、夢だったことが残念に思ったこともあった。
あんなに念入りに*してやったのに…………
現実に、まだうごいているのをみて、
心底ガッカリしたことが何度もあった。


そんなことを思うことが、何度もあった。


……………………今日のは違う。


目の前に**がいた。**がいた。**がいた。
顔は、よく見えなかった。
たぶん、ほんとうの顔を知らないからだ。
でも、わかった。
ソレがそれだって、識っていた。

unchianのメンバーがほとんどいたと思う。
他にも、大勢、ヒトがいた。

ぜんいんが、一人ずつ、架に縛りつけられていた。
まっ白な架が光るように、

天から落ちているように聳え立って、並んでる。
横一列に。
地平線の彼方まで、ずぅっと並んでいる。


私が、何か持っている。
右手に槌を持っている。
左手に杭を持っている。


黄土の、なにも無い、まっ平らな荒野。

とうくでカゼが流れてる。

ごぉうごぉうごぉう…………

ワタシはこんなところで、ナニをしてる(タ)んダロウ?

ごぉうごぉうごぉう…………

東を見る。昇らない宵闇。
むねから杭を生やした死体がたくさん。
西を見る。沈まない夕闇。
めかくしして、生きてるヒトがたくさん。

水の一滴もない、かわいた処所(トコロ)。
ソラもジメンも黄昏色。
地獄色の衣を纏った死刑囚の列。
はっ色の架と、それと同じ色をした外套を着る、ヨク知ッタ小身。


……そうだ。わすれてた。
続キ、続キ…………

ワタシが動いた。
裸足の裏に、小砂利の感触。
縛られている者たちは、誰一人動かない。


そのひとり(**)胸に、
左手の杭を当て、
右手の槌を、思い切り振りおろした。

ガヅンッ

短い痙攣。
かはっと、肺から押し出される空気と、それに混ざって血ノしぶき。

ガヅンッ

杭越しに、しんぞうの音。
生きてる音。とくんとくん。ちいさなメトロノーム。

ガヅンッッ

とまった。
もう動かない。
右のヒトたちの仲間入り。


────────次。
もう左手には、新しい杭が握られている。
左の新しい生者。
このヒトも知ってる。(**ダ)

ガヅンッ

たまにいっしょに、遺跡に潜ったりする。

ガヅンッ

おしごとが忙しそうだった。
また●●●とか、やりたいな…………

ガヅンッッ 



────────次。
このヒトも知ってる。(**)
最近やっと話ができた。
なんで入るとき、いなかったんだろう。
間が悪いなぁ、私…………

ガヅンッ








ふだんは鎧が痛むのがいやで、
ローブの下はなにも着ないことが多かったけれど、
このヒトのおかげで、あの服がもらえた。
最近のお気に入り。
とくに誰かに見せるわけじゃないけど、
なにも着てないよりは、だいぶマシ。


ガヅンッ

なにかお礼がしたかったけど、
見つからなかった。
こんどは、私がなにか助けになりたい…………

ガヅンッッ





────────次。
このヒトも知ってる。(**)
めったにしゃべらないヒト。
いつ帰ってきたのか、しらなくて、おかえりも言えなかった。

ガヅンッ  ガヅンッ  

トカゲトゲは、まだ、だいじに使ってる。
あんまり会う機会がないけど、どうしてるんだろう。

ガヅンッッ







────────次。
ああ、知ってる。
(**ダ)

ガヅンッ

知っている。

ガヅンッ

なんで…………

ガヅンッ

私は……こんな(最低な)コト……

ガヅンッッ

シテルンダロウ……………




────────次。



知ってる。
この人は、私のギルドのマスター。


東を見る。昇らない宵闇。
むねから杭を生やした死体がたくさん。
西を見る。沈まない夕闇。
めかくしして、生きてるヒトがたくさん。

右手には気持ち悪いくらい真っ赤に染まった槌。
左手には気持ち悪いくらい真っ白に光ってる杭。

目の前には黙したニンゲン(**)



ワタシが杭を胸に当て、

(やめて…………)

ワタシが槌を振り上げて、

(やめて…………!)

ワタシが(私が)ソレを(打ちこんで)胸に(突き刺さ)────────

(やめろ…………!!)








──────────────────────────────





夢……? 夢………… 夢……………………?

なんで……

なんで…………!?

私はいままで、憎んでいるから、恨んでいるから、
だから、それは自分の意思でやっているのだと思った。
今日のはちがう! 断じて、ちがう!!

……みんなを恨んでいる? 憎いと思っている?

ぜったいに、そんなこと、ない!!

なら……どうして、こんな夢、見るの…………
どうして、手をとめないの…………
最悪……
気持ち悪い…………
気持ち、悪い……………………

指先の感触が……ずっと残ってる…………

起きたとき、のばが声かけてくれて、ほんとうに、涙でた…………



2008年11月16日日曜日

紙折り/神祈り

-たった一つ祈れるなら-
神を呪った。
人を呪った。
私を責める全てを呪った。
呪うこと以外、考えなかった。

ずっと苦しかった。
引き裂かれた肺と心臓が、
ずぅっと痛かった。

でも、もっと怖いことがあるんだって知った。

痛むことより、苦しむことより、
辛いことがあるんだって、知った。

ああ、こんなにヒトを呪ったのに、
私は許しも乞わず祈っている。

私のような災厄が、
いったい何に祈れるというのだろうか。

けれど、
それでも、
たった一つ祈れるなら、

こんな私でも祈れるなら、


かおのために安らぎを。
千の鶴に祈りを乗せて、たった一つを叶えてほしい。

溶けて腐って堕ちるのは、私の四肢で十二分。

かおのために安らぎを。
あるべき身体を戻してあげて。

いま、たった一つ祈れるなら、
それが叶うなら、私は呪われたままでかまわない。
彼女のために安らぎを。
いま、たった一つ願っている。



2008年11月6日木曜日

断音歌

-その設定ではクマが気の毒-

なんだかこんなものが配信され始めたようね?


ボイスドラマってあまり聞かないのだけれど、
まぁ、おもしろい部類だったかしら。



特に羊が。


ファンタジーライフのムービー以来、
声を聞いてなかったから、
なつかしかったわ。



……ただ……


学園モノってどうも気に入らない。




青春?
腐ったヒトの臭いをごまかす……
貴族の豚どもが体につける匂い水のようなものだわ。




……まぁ、どうでもいいわね。


先日、東方緋想天とやらをやってみたのだわ。

東方が、いま最も人気のある同人STGの一つであるのは、
言うまでもないけれど、 その二次創作でも、
この緋想天はなかなか秀逸だわ。

格闘ゲームとカードゲームを合わせたようなスタンスで、
簡単に連携や大技が出るコマンドシステム、
なんといっても、IPアドレスを使ってネット対戦ができるのが良いわね。

私は吸血鬼と大幽霊しか使えないのだけど、
個性あるキャラクターが、多岐にわたって選択できるようね。

……そういうわけで、今日はギルドメンバーの久遠と
3~4時間くらい遊んでみたわ。

……別に最初からやろうと思ってたわけではなくて、
ただ気がついたら時間が経ってたの。

緋想天……恐ろしいゲームだわ。


そのあと、時間が日付を変更させるような時間だったから、
解散かと思いきや、
適当にキア中級一人をクリアして出てきた
キア上級を行くことに。



なぜか行方不明だった仔までいるけれど、
そのあたりは気にしないで。
なんだか傷心だったらしいわね。

知らないけど。

2008年10月29日水曜日

守護する者、破戒する者

-歴史と運命。壊れた鏡に何が映る?-
Une de la mémoire de l'aventure que j'ai exécuté “G7&8.”

先日ようやくイリヤのドラゴン……G7・8とやらがクリアできたわ。
なんだか残された時間がないとか言ってる割には、
私が古代の模様を集め終わるまで待っててくれたみたいだし、
世界の滅亡ってけっこう融通が利くのね。

そういうわけで、今日はせっかくだから、
「イリヤのドラゴン-タウネスの頼み-」に
ついて書こうと思うわ。
まぁ、興味ないっていうか、
見たくないならこれ以上は読まない方がいいと思う。

……むしろ、

G7と全然関係のない話になっているから!

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
History and Destiny.
What does the broken mirror reflect?

2008年10月26日日曜日

イリヤのドラゴン-タウネスの頼み- ※G7

※G7のストーリーを純粋に楽しみたい奴は、さっさと帰って。




























History and Destiny.
-歴史と運命-
What does the broken mirror reflect?
-壊れた鏡は何を映す?-



In the beginning...
-そこに-
There is the one monster.
-一匹の妖怪がいた-
She murders people, murders gods and murders guardians.
-それは人を殺し、神を殺し、そして守護者を殺す-

Because the reason is because she was chosen as a sacrifice among "good people".
-なぜなら、彼女は、“善良”と呼ばれる者の犠牲として選ばれたからだ-
On the right hand, she has swords of anger.

-右手には怒りの剣を-
To the left hand, she has swords of hatred.
-左手には憎しみの剣を-

Her heart weakens for a pain.
-心を痛みで擦り減らし、-
The end of the day imbrued in blood.

-穢れの終わりを待っている-
It's time when she died...
-死という終わりを待っている-

そう、私には終わりの日が来る。
時の限られた生。


人と同じ。いや、人の生より短いかもしれない。

私の半分が憤怒で、
もう半分が憎悪なら、
全てを吐き出し切った後に、
きっと私は消え去るだろう。

巨人の頼みを聞いてやったのは、ほんの気まぐれだ。

いつか殺す相手。

けれど、殺す順番を換えてやることにした。
巨人の名前なんてどうでもいい。覚えたくない。

ただ巨人は、「記憶の鏡」を欲していた。
恋人の記憶を呼び覚ますために、

どうしてもその鏡が必要だという。



パルー遺跡の深奥に棲むという、魔女の鏡。


……私はその鏡の魔女を殺して、
ついでにソレの鏡とやらを、持ち帰ればいい。


手渡された【記憶の氷の結晶】。

パルー遺跡の祭壇にささげれば、
魔女のいる通路へとつながるだろう。




街に戻って支度をしている時、よく知る顔を見つけた。


マスターnovaの弟巨人、nowa。

事故か何かか、左目に眼帯をしている。


「おはよーぅ」
「……ごきげんよう」


あいさつもそこそこに、私は腰をあげて、
遺跡に行こうとした。
そこで、外套から渡された結晶が落ちた。


乾いた音とともに転がる氷の通行証に、
nowaの目が止まる。





「……行く?」




Two figures go into the cold dark remain.
-暗く冷たい遺跡へと-

The giant of beast black armor, and the small little girl.

-黒鎧の巨人に、小さな少女-
The girl too wore dark black clothes,
-少女も黒い外套で、-
and was sitting down on his shoulder.
-彼の肩に座っていた-
She had the snow crystal.
-彼女の手には氷の結晶-


When they went through the icebound cave, and found large hall.
-氷を潜ると、大広間-

There were two shadows there.
-二つの影-
It was a huge monster and a white witch like snows that waited for them.
-巨大な悪霊と、雪のように白い魔女-
The girl of black clothes jumped out and charged at the huge demon.
-黒衣の少女が飛び出して、巨大な悪霊に突進した-
The blue fist clashed with black swords.
-黒き剣と氷の拳-


The demon got many injuries, but anything didn't lead to fatality.
-悪霊は多くの傷を負い、しかし死に至ることは決してない-






……
…………
………………




「それで、わざわざこんなところまで来たのか。
まったく足労なこと」


パルーの深奥。
訪れる者の皆無な雪花の間。
私が望んで殺しにきた相手。


鏡の魔女が目の前にいた。
その女の前に────











奈落の星を双眸にぎらつかせ、
巨像が黒雲のように立っていた。


ウェンディゴ-Wendigo-


人の生き肉を食らう、不死の悪霊。
実態のつかめない体をいくら刻んでも、
私の剣では斃せなかった。


「そう嘆くことはない、黒い影子。
ウェンディゴは喜んでいる。
彼もアナタと同じ。

孤独の中から生まれる、イタクァの眷属。


かつては彼も、良きアルゴンキンの民だったわ。
けれど、鏡を求め、絶望し、孤独の中に世界を呪った。
今は私の忠実な僕。

私の力以外では、決して傷つきはしない


黒き剣の届かぬ宙空。
見下ろす魔女が哂っていた。


「アナタは私を殺すのに、言い訳が欲しかったのだろう?
殺す順序?
くだらない。

アナタは『助け』ようとした。
どうしようもなく悔恨に苦しむ、
あのバレス人を見て、それにつけ込めると思った…………
悲しみを分けられる友人が欲しかったのだろう?」



────違ウ。肯ダ。


「アナタは恐れている。
孤独の中に崩れて消えること恐れている。
そうして望んでいる。
最後には幸せなることを望んでいる。

自分がどれだけ口実を探して、
どれだけの者を殺し続けてきたのか、
全て忘れようとしている。
アナタも鏡を望むなら、

己が眼で確かめるがいい。
残酷な歴史。
残酷な運命。」



黄昏色の空が広がっていた。
緋い地平線の見える、小さくも大きくもない街。

私によく似た子(私)が、
身の丈に合わない黒剣を振り回していた。

男を殺した。
女を殺した。
老人を殺した。
若者を殺した。
聖者を殺した。
娼婦を殺した。
賢者を殺した。
女衒を殺した。
貴族を殺した。
苺売りを殺した。
笛吹きを殺した。
道化師を殺した。

誰かが鎖を投げ、
誰かが矢を番えたから、
鉄の剣と合わせてばら撒いた。

悲鳴を上げた者を殺した。
泣き叫んで逃げる者を殺した。
路地裏で怯え隠れる者を殺した。

なぜ? なぜ? なぜ?

全員が問う。

なぜ?

────私は答えなかった。




なぜなら私が訊いた時。
誰もがその問いに応えてくれなかったからだ。

だから私も、理由を知らない。
ただただ、赦せなかった。

全ての冤罪を、
全ての免罪のために押し付けてきた者ども。

そんなものを、どうして赦せるだろうか。
私は絶対に赦さない。
死ぬべきなのは、おまえたちの方だ。

理由無き復讐の剣。
私の繰る黒剣は、
誰かを殺すためのものであり、
誰かを救うためのものではない。


────それがアナタの記憶の傷。
アナタの根幹にして最大の急所。
強さを誇示して、脆さを隠す。
臆病で、矮小で、どうしようもなく哀れな存在。

怯えるがいい、闇から生れし影子。
私の鏡からは目を逸らせない。
像は既に心に滲みついている。
残酷な記憶を直視して、
空虚なアナタがエゴのカルマに耐えられるか?


最初は、ほんのささいなことだった。
あまりに小さなことだったから、
どんなことか忘れてしまったけれど……
でも、その日から、
それが始まったことだけは覚えている。


刺すような視線。
囁くような悪態。
弾くような罵声。
髪をつかまれて汚い床に引きずり倒される。

「お前が●●したんだろう!」

なにを言っているのか、わからない。
張られた頬の熱に混乱する。
蹴られたおなかが苦しかった。
怖い。
怖い。
怖い。
感情だけが先走って、私は泣き出した。
その泣き声を聞いて、誰かが叫ぶ。


「ほらみろ!認めたぞ!」


なにが起こっているのか、わからない。
なにに怒られているのか、わからない。
たまらず私が聞き返した。



「私をた(コ)(ロ)(セ)ば、気がすむの?」


「そうだ!」「そうだ!」「そうだ!」


数え切れないほどたくさんの声が、吼えるように応えた。
私のお母さんも、まじっていた。


(見た)(聞きた)(思い出した)くない。


消えて……


消えて……!

消えろ、消えろ……ッ!!






見ルガ良イ。
緋イ深淵はオマエを放サナイ。

千切ッタ鎖は太サを増シ、
掃ッタ槍剣ハ数を増シ、
縛ラレたオマエハ指先カラ刻マレ、
背肉を剥ガレて焼キ鏝で殴ラレル。

穏ヤカな死?
オマエは今際の際、
首ダケになっテ、
激痛ニ悶エテ猪のヨウに汚物の上ヲ転げ回ル。

ソレガ代償。
オマエトイウ化け物ガ存在シタ対価ダ!!






百人が見下ろしている。
千人が見下ろしている。
いったい何万何億……何兆という生き物が見下ろしているのだろう。

その中の一つが歩み出る。
知ってるヒトだ。
嫌いなヒトだ。
大好きなヒトだ。
このヒトからは離れたくない。
このヒトからは嫌われたくない。




でも、なぜか────────────



「オマエなんか生まれてこなければよかった」




このヒトからだけは聞きたくない言葉が、
このヒトから最初に聞かされた…………

















































「うおおお!!」


































「ッ!?」










魔女の息を呑む声とともに、鏡の像が曇る。
広がっていた黄昏色が消え、氷の遺跡が視界に戻る。
見覚えのある巨人-サベッジビースト-。










「の……わ……?」



夢から醒めたような浮遊感。
足元のおぼつかない私に
迫っていたウェンディゴと、nowaがぶつかり合う。
生き物同士が鳴らしたとは思えぬ、
甲高い重低音が響いた。(Heavy Stander)

私の小身とは比べようもない、
丸太のような剛腕が振るわれる。

ウェンディゴが吹き飛んだ。
地響きがおなかの底まで伝わってくる。
刹那、崩れた氷柱が天井から降り注いだ。
nowaが、その柱を拾い上げる。
魔女の血が通った鏡器。

主人の魔力を帯びたそれは、ウェンディゴに致命的な傷を与える。










「うおらあああ!!」











肉の爆ぜる音がして、ウェンディゴが倒れた。
私の時とは違う。










重く刻まれた打痕。
ウェンディゴは痙攣すらしなかった。










「そ……!?
馬鹿な…………!!











私の、ウェンディゴ…………」







「ア、ガッ…………ッ!!?」


「刻め、氷女。
私の領分を無思慮に侵略したな……!!」

“守護者殺し”が突き刺さる。
魔女の、私とさほど変わらぬ大きさの体を引き裂く。


守り手のいなくなった魔女は、
ガラス細工のようなあっけなさで、
一瞬のうちに両断された。




「フ、フフフ…………
私の鏡柱を扱える巨人を連れてくるとは…………」


半身を失ったにも関わらず、
魔女には息があった。
もっとも、それも一時的なもの。
魔女はウェンディゴとは違う。
この深手で、蘇生できるはずはなかった。

鏡を望むならくれてやる。
だが、それを再び覗く勇気はあるか?
鏡の向こうに映る、残酷な記憶に耐えられるか?」

これ以上、この女の声を聞くのはうんざりした。
私は憎まれ言を吐き続ける魔女の喉笛に、
躊躇いなく、剣を突き立てた。

「……おまえに、とやかく言われることじゃないわ。
用が済んだら、さっさと死んで」












Two figures get out of the cold dark remain.
-暗く冷たい遺跡から-


The giant of beast black armor , and the small little girl.
-黒鎧の巨人に、小さな少女-

The girl too wore dark black clothes,
-少女も黒い外套で、-
and was sitting down on his shoulder.
-彼の肩に座っていた-
She had the mirror of the witch.

-彼女の手には魔女の鏡-
The mirror was broken...

-その鏡は砕けていた...-





「ごくろーさん」
「……ありがと」

砕けた鏡をもてあそぶ。
曇った鏡面にはなにも映し出されていなかった。

万年雪の積もる街、バレス。

nowaの肩に乗って、
あの巨人の元に、この鏡を届に向かう。

この鏡を使って、巨人はなにを見たいというのだろう。
私なら、もう二度と、この鏡は覗かない。
覗かなくたって、この苦痛はいつだって私を抉る。

魔女の言葉が頭に響く。

刹那の憎悪で、引き裂いた。
変わり映えのしない、殺戮の感触。

私は、なんのために、魔女を殺したのだろう。
私は、なんのために、鏡を持って行くのだろう。

黄昏から夕闇へ。
夕闇から宵闇へ。

親しんだはずの夜気が妙に冷たい。
なぜだか今の顔を、
絶対に横の巨人に見られたくないと思って、
きつく、その頭の赤毛をつかんだ。

nowaの髪の毛はごわごわしていた。

2008年10月19日日曜日

今という日、思い出という過去

-今日見た赤は、過去に見た赤だろうか-

最近、私という存在がひどく曖昧だ。
最初は良いことだと思った。
私は変わった。
きっと良いことだ。
薄暗い、濁った泥の中にいるよりはずっと良い。
寒くない。冷たくない。痛くない。苦しくない。
世界は寒空の色だけではなかった。

けれど、どうしたのだろう。
私は最近のことをよく忘れる。
昨日読んだ本は何だったろう。
昨日聴いた曲は何だったろう。
昨日嗅いだ花は何だったろう。
昨日歩いた道は何処だったろう。
昨日話した人は誰だったろう。

……怖くなった。
気がつけば、私は自分の年齢すら、自信を持って言えなくなった。
今日見た赤は、過去に見た赤だろうか。
今日見た赤は、明日も赤に見えるだろうか。

……怖くなった。
なぜなら、こんなにもよく、忘れていくというのに、
アノ日ノ黒ダケははっきりと覚えているからだ。

私は、手にした温もりも忘れてしまうのではないだろうか。
私は、大切に想った人まで忘れてしまうのではないか。

このまま何もかも忘れ去って、(忘レテシマエ)
あの人も、あの人達も忘れ去って、(幻想ダ、夢想ダ、妄想ダ)
また元の宵闇の中に還ってしまうのではないだろうか。
(ソウ、ソレコソオ前ニ相応シイ)

(狂ッタ獣。)
(怒リヲ吐キ出ス猖獗ノ姫仔。憎シミヲ噴キ出ス暴虐ノ黒禍。)
(夢酔カラ醒メル頃合イカ?)
(務メヲ果タセ。努メテ果タセ。)
(来タセ、満タセ、充タセ。)
(望ンデイルノハ オ前ダロウ!)

いやだ。
また頭痛がする。
約束があった気がする。(ナカッタ)
でも、思い出せない。
また耳鳴りがする。
疲れてるんだ…………(ソウトモ)
もう、今日は休む。(ユックリト)
目が覚めたら、きっと少しは良くなってると思う。

オヤスミナサイ。
(オカエリナサイ)

2008年10月12日日曜日

白い白い初まりの焔

-あんなに苦しいのに、なぜ人間は皮膚を焼くの?-

とりあえず先週、海に行ってきたわ。
別に意味はないけど。
回線が不調で繋げない日が多かったけど、
16日くらいに工事するから、少し安定するかしら。
とりあえず過去の教訓から、
今回は全身を覆う服にしたわ。

……まったく!
なんだって海に行くと、こんなにも日焼けするの!?
冗談じゃないわ。
お湯が浴びれないじゃないの!!
太陽なんて死んでしまえ!!







2008年9月8日月曜日

黒麦藁帽

―なんでこんなに太陽が気持ち悪いのに、海なんて行きたがるのかしら―

どうして人間は往々にしてこんな季節にリゾートに行きたがるのかしら?
馬鹿だとしか思えないわ。
ただでさえ日焼けというものは体力を奪うのに、
おまけに暑さでも疲れるのよ?

あー、もう残暑がイヤ。
早くきちんと秋にならないかしら。


2008年7月3日木曜日

流れ星

─そもそも流れ星を見れるほど、空を見上げているか疑問だけど─

またずいぶん日が過ぎてるわね。 ふた月くらい……?
まぁいいわ。


……またこの月日の間に、馬鹿なことをやらかした人間がいたわね。
誰と言わなくても解ると思うけど……あの、秋葉原の?

……犯人の名前なんてどうでもいいから忘れたけど。
この件でひとつ記事でも書こうと思ったのだけど、
時期外れになってしまったし、めんどうだからやめるわ。


でも一言だけ言わせてもらうなら、


ああいう阿呆が出た時、
人間でなく『物』を悪者にする風潮はやめてほしいわね。
まるで人間が物に使われて悪さをするようじゃない。


人間は物の道具?



私はそんな惰弱な生き物なんて、生かしておきたいと思わないわね。


すこしは自尊心を取り戻したら?
私が恐れるべき人間は、そんなに薄弱な存在なの?




まぁいいわ。



エリンの話をしましょう。

もうそろそろ終わるのか、まだ続くのか知らないけれど、
エリンでは星降る夜イベントとかいうイベントがあるそうね。


……もちろん知ってたわ。



ログインするたびに邪魔な緑のテロップが流れているものね。




ただね。





なにをしたらなにがもらえたりするのか、
まったくわからなかったから、放っておいたのだわ。


ええ、もちろん、ちょっと調べればわかったんでしょうけどね。


……どうせ大したものでもないんでしょうし
……おもしろくもなさそうだったから、
非参加でもいいと思ってたのだわ。


そうしたら、その…………




裸のバカが付き合ってくれるっていうから!


……それなら、ちょっとくらい参加してみてもいいかな、と。
そう思ったわけ。
いまさら言う必要もないと思うけど、
このイベントは夜間のエリンの海岸や湖畔に降ってくる
隕石みたいなものを復元して、それをコレクションブックに入れて
報酬を得るものらしいのだわ。

……まぁ、よくわからないけど、
なんとかなるでしょう。

私たちはカリダ湖で集めることにしたのだけど、
時期が時期なせいか、誰もいなかったわ。
 
 
 
 
 
 
……妙なドラゴン以外は。







とにかく、これなら問題なくイベントを進められそうね。
そうこうしているうちに流れ星が次々と大地に着陸。
これを拾って……ctrlクリックでいいのかしらね……
 
 
 
ゴリッ
 
 
 
……
…………
………………毎回思うのだけど、
この、初めてやるミニゲーム、説明もなしに始まるのやめてくれない?

……スクリーンショット取り忘れてしまったけど、
とにかくこのコンペイトウの型の外側だけ塗りつぶせばいいのね。
それさえわかればどうってことないわ。
型抜きなんて、人間の子供だまし、
私にできないハズがないわ!!









 
 
 
……う、うるさいわね!!
だいたい、こんな……こまごまとしたのは、私には合わないのよ……
こんなの、こんなペースでやってたら一週間たっても終わらないわ!!
 
 
……とか思ってたら、のばがほとんど復元をやってくれていたわ。
私が作って入れたのは、十二星座中、二つだけ……
 
 
…………ふ、ふん、たまには役に立つじゃない。
で、でも、勘違いしないでよ。
私だってもう少し練習していれば、
これくらいなんてことなかったのだから!!
 
 
 
……ともかく。
シューティングスターローブなんていう、
陳腐な名前のエスラスローブを手に入れることに成功したのだわ。
 
……だってどう見てもエスラスじゃない?
 
まぁいいのだけど。
 
入手したての色は、あんまり好みではなかったから、
白黒で染色。
色指定はあんまり使ってなかったけれど、
このローブは……まぁ、そうね、たまにはいいわ。
特別に三つ全部指定で染めてしまったわ。
……別に、意味なんかないけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2008年5月11日日曜日

治療のためか、逃避のためか

─この世の苦痛のほとんどは、薬で誤魔化せるらしいわ
 逃避分の対価は大抵、倍以上に差し引かれるけれど─

なんだか相当久しぶりに書いている気がするわ……
書けるほど体と心が落ち着いてきたってことかしら。


半年くらい更新してないんじゃない……?

……まぁいいわ。

ギルド長が復帰して、私もギルドに復帰してから、
これまた半月近く経過しているわけだけれど。

そろそろ11月のままの記事ではいけないと思いながら、
書くべきことはあるけど、
気がついたら書くには遅すぎるくらい時間が過ぎている、の繰り返しで、
結局何も書いてこなかったけれど、
せっかくまだ生きてるし、思い立ったし、指も動くから、更新するわ。








多少宝石が混ざってるのはともかく。
これ、キア上級とかにいるティロが売ってる薬。
ダイエットポーションてヤツね。
だいぶ前から……その……
太めになってきたらこれを使っているのだけど、
先日のばから、「それってどれくらい効果あるの?」
みたいなことを訊かれたのだわ。

私もそんなに細かい数値で知ってるわけじゃないから、
なんとも言えないけど、
とりあえず先日………………
……う、うるさいわね、仕方ないでしょ、
またスタミナポーション切れちゃったんだから!


上が仕様前、下が仕様後。







エリン時間で約6時間程度でこの修正。
トウモロコシ茶とやらも、確かにやせる効果は高いのだけれど、
どうもこのダイエットポーションは、
体形を一定の形に修正してくれているように感じるわ。
どんなに体形が……どうにかなってても、一個でこれくらい回復するのよね。
誰か詳しく検証していないかしら……


全身用の他に、
上半身用と下半身用というのが他にあるけど、
はっきり言って必要ないわ。
これだけ……その……太ってると!
上半身や下半身だけ やせさせると使用してない片方が
肥大化しているように見えるのよね。

値段が大して変わらないなら、全身くまなく治してくれる
ダイエットポーションFが断然いいわね。


……一個2万3210ゴールドでなければもっといいのに……