2008年10月19日日曜日

今という日、思い出という過去

-今日見た赤は、過去に見た赤だろうか-

最近、私という存在がひどく曖昧だ。
最初は良いことだと思った。
私は変わった。
きっと良いことだ。
薄暗い、濁った泥の中にいるよりはずっと良い。
寒くない。冷たくない。痛くない。苦しくない。
世界は寒空の色だけではなかった。

けれど、どうしたのだろう。
私は最近のことをよく忘れる。
昨日読んだ本は何だったろう。
昨日聴いた曲は何だったろう。
昨日嗅いだ花は何だったろう。
昨日歩いた道は何処だったろう。
昨日話した人は誰だったろう。

……怖くなった。
気がつけば、私は自分の年齢すら、自信を持って言えなくなった。
今日見た赤は、過去に見た赤だろうか。
今日見た赤は、明日も赤に見えるだろうか。

……怖くなった。
なぜなら、こんなにもよく、忘れていくというのに、
アノ日ノ黒ダケははっきりと覚えているからだ。

私は、手にした温もりも忘れてしまうのではないだろうか。
私は、大切に想った人まで忘れてしまうのではないか。

このまま何もかも忘れ去って、(忘レテシマエ)
あの人も、あの人達も忘れ去って、(幻想ダ、夢想ダ、妄想ダ)
また元の宵闇の中に還ってしまうのではないだろうか。
(ソウ、ソレコソオ前ニ相応シイ)

(狂ッタ獣。)
(怒リヲ吐キ出ス猖獗ノ姫仔。憎シミヲ噴キ出ス暴虐ノ黒禍。)
(夢酔カラ醒メル頃合イカ?)
(務メヲ果タセ。努メテ果タセ。)
(来タセ、満タセ、充タセ。)
(望ンデイルノハ オ前ダロウ!)

いやだ。
また頭痛がする。
約束があった気がする。(ナカッタ)
でも、思い出せない。
また耳鳴りがする。
疲れてるんだ…………(ソウトモ)
もう、今日は休む。(ユックリト)
目が覚めたら、きっと少しは良くなってると思う。

オヤスミナサイ。
(オカエリナサイ)

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