2008年11月16日日曜日

紙折り/神祈り

-たった一つ祈れるなら-
神を呪った。
人を呪った。
私を責める全てを呪った。
呪うこと以外、考えなかった。

ずっと苦しかった。
引き裂かれた肺と心臓が、
ずぅっと痛かった。

でも、もっと怖いことがあるんだって知った。

痛むことより、苦しむことより、
辛いことがあるんだって、知った。

ああ、こんなにヒトを呪ったのに、
私は許しも乞わず祈っている。

私のような災厄が、
いったい何に祈れるというのだろうか。

けれど、
それでも、
たった一つ祈れるなら、

こんな私でも祈れるなら、


かおのために安らぎを。
千の鶴に祈りを乗せて、たった一つを叶えてほしい。

溶けて腐って堕ちるのは、私の四肢で十二分。

かおのために安らぎを。
あるべき身体を戻してあげて。

いま、たった一つ祈れるなら、
それが叶うなら、私は呪われたままでかまわない。
彼女のために安らぎを。
いま、たった一つ願っている。



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