春の暖かさよりは冬の霜が近い空の下で、私は生まれた。
アルバンエイレルの日の出前、
ワタシという、アバターがエリンに降り立った。
剣を一つしか持てなかった私は、
村の農場にいるオオカミにギタギタにされた。
痛かった。
ひどく痛かった。
とても痛かった。
死ぬように痛かった。
死んだあとも痛かった。
名前の下のピンクのバーが真っ黒になって、
どうしようもなくなるのが怖かった。
痛いのをふせぐには、どうしたらいいだろう。
小手?
足りない。
靴?
足りない。
盾?
手は武器を持つ者だ。
鎧がほしい。
この黒いローブの下に着る、強力な鎧。
ワタシの恐怖をそのまま絶壁にしたような、そんな鎧。
そんなとき。
かきーんって甲高い音がした。
しらないヤツがオオカミ斃してた。
プレートメイルだって言ってた。
それから私は街に行った。
プレートアーマーを探した。
売ってた。
50万ゴールド。
高い。
どうしようか考えた。
すぐ隣に、祝福ポーションが売り切れていた。
値段は10個1万ゴールドだった。
祝福ポーションを500個売ればいいんだ。
簡単だ。
私と、わたしと、ワタシと、私と、ワタシが働いた。
ジャガイモと、卵と、リンゴと、羊の毛。
クリステルから祝福を。
ヒルブリンから祝福を。
一週間くらいたった。
けっきょく、私が買った時は65万だった。
鎧は改造できるって聞いた。
だから改造しようと思った。
鎧以外を全部脱いで、ネズミにかじられるといいらしい。
私はラビダンジョンにいった。
鎧が壊れた。
修理に行って、そこで初めて、
この鎧が1Pで1万ゴールドするって知った。
23ポイントの修理で231,288ゴールド。
フレッタを*そうと思った。
改造できた。
防御15の保護が9の210式。
ダイヤウルフの攻撃もへっちゃらになった。
でもオオカミは怖くなくなっても、
クマは怖かった。ゴーレムはもっと怖かった。
装備にはエンチャントがあるって聞いた。
インプが保護と防御が上がっていいって聞いた。
スクロールを探した。なかったから素材を探した20万だった。
安いと思った。
その辺りにいたエンチャント高そうな奴を捕まえて、
焼き抜いてもらうことにした。
成功した。1万ゴールドわたした。
鎧に張るのもおねがいした。
改造の終わった鎧を出したら、変な顔して、
削れるかもって言ってた。
いいからやれって言った。
成功した。1万ゴールドわたした。
それから私は、unchainに入る前も、入った後も、
ずーっとこの鎧だった。
服なんて着たいと思わなかった時期もあったけど、
いまはそれなりに服も集めてる。
でも、鎧は変わってなかった。
今日、それがあたらしくなった。
私の薄汚れた黒塊の中に一つだけ、
しなやかな漆黒が加わった。
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