―どうして願っている時より良い結果なの―
暑かったり寒かったり、嫌な日が続くものだわ。
あぁ、頭痛い……喉痛い……お腹痛い……
ところで先日転生したのだけれど。
せっかくだから、明日の加齢の前に、
「10歳でオールを握った」のタイトルでも取ろうと思って、
筏に繰り出したわけね。
それにしてもアレよ。
この筏って、なんでこんなに剣士に冷たいのかしらね。
向こうの連中みたいに、こっちも岸に飛び移ってやりたいわ。
ゴブリンばっかり飛んできて、ずるいと思わない?
まぁ、いいけれど。
「10歳でオールを握った」タイトルを取るのは簡単。
なんて言っても、
文字通り10歳になってオールを握れば良いだけなのだもの。
……でも、それだけのために薪10本集めたのかと思うと、
なんだかやるせなくなるわ……
だってこれ、一人だと行っても、特に面白くないのだもの。
基本的に、弓と魔法でお手玉されて、
ファイターが飛び移ってくるまで、
ライトニングボルトをちょこちょこって撃つだけ。
こんな場所、マジックシールドの修練以外に、
来る必要性を感じないわ。
……ええ、もちろんしたわよ。川下り。
筏だけ作って、オール握って終わりなんて、
そんな馬鹿らしい話はないわ。
敵を殺すのが私の意義。私の本質。
殺戮と破壊をやめた私なんて、ただの壊れた人形。
猖獗こそ、私の二つ名よ。
届く範囲の敵だけでも、みんな殺してやるわ!!
……相手がゴブリンならいいんでしょ……?
…………あら?
え?
……え!?
信じられないわ……なんていう僥倖かしら。
これって、もしかして一人の方が取りやすいの……?
……
…………
………………
……べ、別にうれしくなんかないけど。
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